ファンタスティック4 ファースト・ステップを観た。8月3日、TOHOシネマズ立川立飛にて、IMAX字幕版。
オススメ度★★★☆☆
面白かったけれど、話が薄い。ドラマがないと感じた。まあ、よく言えば軽い映画なのかもしれない。といいつつ、予告のとおり、明るい映画ではないのだけど。
4人の超能力も観ていて地味。見せ方や活用方法で驚かせてほしい。
レトロフューチャーな世界観のルックはとても魅力的ではあった。
以下ネタバレあり。思いついたら追記するかも。
話が薄いと感じてしまった理由はなんなのだろうと考えると、オリジンを省いたことがひとつあると思う。
物語に必要なのは「変化」だと誰かが言っていたのをずっと心に留めているのだけど、この映画においてファンタスティック・フォーの4名にはほとんど変化が起きていない。冒頭からスーが妊娠し、ストーリーの中心に守るべき存在として赤ん坊が据えられる。本来はそこが家族の変化のポイントなのだけど、本作はそれ以前の4人を全く描いていないので、何がどう変わったのか見ている側にはあんまりわからない。
ファンタスティック・フォーの4名も、ついでにちょっと絡んでくるモールマンも、ベンとちょっといい感じの女性も、元々どういうパーソナリティだったのか全くわからない。よく知らない人達がぼんやりとギャラクタスの襲来と赤ん坊の危機に慌てる様を観せられるはめになる。
オリジンの描写、もっと言うと妊娠前の描写がもっとあれば、危機とその中の家族愛により感情を揺さぶられたのではないかなと思う。
本作で変化するのはシルバーサーファーと一般市民。
シルバーサーファーの翻意は重大な割にやや唐突ではある。
一般市民はそれまで称えていたファンタスティック・フォーに対して手のひらを返してトロッコ問題で赤ん坊を差し出せと騒ぐ割には、スーの微妙な演説でたやすく納得してしまう。
まあ、リードが正直にコメントしすぎてしまったので、一般市民が怒るのも無理はないけど……。
スーが赤ん坊と共に人前に出たというのはパワーがある行動ではあるけれど、一般市民はこの程度の演説でふつう納得しないだろうという感想を強く持ってしまい、話が薄っぺらいなと思ってしまった。
地球に上陸した対ギャラクタスのシーンも物足りなかった。街並みを壊さないように慎重に歩く、星を食べる程の宇宙規模感のない大きい人(つーか縮んでるよね?)、というのがそこまでの絶望的脅威に感じず、おまけにその目的は赤ん坊一人というところで、スケール感が小さいように感じてしまう。まあ、自分があのくらいの巨人だったら、確かにわざわざ建物を蹴り壊して歩くのは面倒なので、道に沿って歩くとは思うけど。
ギャラクタスをジャンプ台に押し込むのがスー1人の火事場の馬鹿力というのも非常に残念だった。母の力というところもあるのかもしれないが、母の愛から来る力という印象をそれほど持てずただの火事場の馬鹿力に見えてしまったし、絵面的には全然動きがなくてひたすら地味だし、いくらなんでもスー1人の力が強すぎるだろうというガッカリ感もあった。